幼い子どものように泣くあたしの
頭を優しく撫でながら、
”頑張ったね”と一緒になって
泣いてくれる紗希は本当に優しい。





「 ・・・・菜緒ちゃん、入って? 」





そう託されて中に入って、
崩れ落ちたあたしに冷えた
タオルを持ってきてくれて、
途絶え途絶えのあたしの言葉を
相槌を打ちながら聞いてくれた。





「 彼女がいたの? 」


「 ッ・・・ん 」


「 けど、抱き合ってたのを見ただけで
  本当に彼女かは分からないよ? 」


「 でも・・・・! 」





付き合っていない二人が、
抱き合うわけがないでしょう?