ーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー……
“咲ちゃん"
それはまるで天使の笑顔。
大きな黒目で私を見上げ、その瞳を潤ませる。
いつも私の後を追いかけて、くっついて離れない。
“咲ちゃん、おきて”
私が寝坊すると、いつも起こしに来てくれたっけ……
その小さな手が、私の体を揺する。
“咲ちゃん、起きてよー。遊ぼうよー。”
本当は起きてたけど、
私はワザと寝たふりをして、目を開けなかった。
だってそんな涼が可愛くて、もう少しいじわるしたくなっちゃったから…
そう…あの時の涼は、もう本当に本当に可愛くて……
「おい…
おい…
おい、起きろ!」
その声にハっと目を開けると、目の前にどアップで涼の顔があった。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
とある日曜の正午。
私の叫び声が、町内にこだまする。