僕の気持ちを察したのか、夏希はそれ以上何も聞いてこなかった。

「飲み物持ってくるよ。紅茶かオレンジジュース、どっちがい?」
「オレンジジュース。」

僕はいつだってオレンジジュース。
小さい頃からずっと、オレンジジュースが大好きなんだ。

夏希は逆にコーヒーや紅茶みたいな大人な味が好き。

でも、いつだって夏希の家にはオレンジジュースがあった。

今から思えば、僕のことを気遣ってくれてたのかな なんて思えてくる。