セックスフレンド、という言葉がある。恋人ではなくて、ただしたいときにするだけの関係。
詳しい定義は知らない。でもきっとそんな意味。
 
友人は、私たちのことをこういう関係だという。もしくはそれと大差ないよ、と。

だけどもしそれならば、私たちはきっと一緒に食事に行ったり、ドライブに行ったりはしないだろう。
寧ろセックスだけでいいのなら、早々にそう割り切ってもう少し楽しんでいる気がする。

というかじゃあセックスを楽しんでしているのかと問われれば、答えには窮するんじゃないだろうか。
 

ナユタにとって、セックスをするということは、カフェに行くとか映画に行くとかと違わないのではないかと思う。
だっていつも始まりは彼からなのだ。「セックスでもしようか」そのひとことから。
ほんとうに、それは「カフェでも行こうか」と変わらない。
 

ならどうして私がそれに応えるのかと言えば、答えはひとつしかない。気持ちいいから。今まで経験がないぐらい冷めているのに、今までの男とは比べ物にならないぐらい、きっと身体の相性はいい。