「人生って」
 
黄色い花に鼻を埋めた男に問うてみる。

「無駄なことはないと思う? それとも無駄ばっかりだと思う?」
 
太陽がどんどん遠くなる。
風もぬくもりをなくし、ビートルズの音だけが温かさを運んでくる。
 
ナユタは笑った。
作ったものでも、考えたものでもない。いつもみたいにあっけらかんと。
そして口を開く。

「無駄こそ人生だよ」
 
あ、ここにいた。考えた人ではないと思うけれど。