すっきりしない気持ちを押し流そうと、残りの缶コーヒーを胃の中に押し込んだ。
ひとつ息を吐いて、足に力を入れる。

いつまでもうだうだしていてもしかたがない。
まだ私は勤務中なのだから、するべきことをしなければならない。
 

立ち上がって空き缶をゴミ箱へと運ぶ。
その途中、掲示板に貼られた広告が目に入った。舞台のポスターのようだ。

大きく書かれたタイトル、俳優陣と思われる幾人かの人間。
コメディなのか派手な色合いのそれに、赤い字でキャッチコピーが記されていた。

『無駄こそ人生』