だから、私は迷う、気にする、考える。
最後だからとセックスしなければ、きっと一生気づかなかった。
でもそれが、どういうことなのかは私にはわからない。
 
ナユタはナユタ、私は私。

 
思考はぐるぐる回る。
終着点のないそれは、灯台を見失った船のようだ。

だけどそれはもしかして今に始まったことではなく、あの日、ナユタに出会った日から迷い始めてしまったのかもしれない。
ちょっと航路を外れても、すぐに戻れたのかもしれない。
遠くにある目指していたものを手に入れようと進むべき航路を、私はすごく回り道しているのかもしれない。
 

そう、正しい道を行けば、欲しいものが手に入るのかもしれないのに。
 
そしてそれは、私だけではなく、ナユタもそうかもしれないのに。