写真、絵画、書籍。あらゆるものが彼なりの秩序を持って並んでいる部屋。
更にアイテムが加わっているようで、私の視点は定まらない。

「相変わらずだ」
 
私の服に手をかけたナユタが笑う。
その向こうに、日本じゃなさそうな風景の写真が飾ってあった。

「変わらなかったの。何も」
 
彼のボタンに指をかけて答える。
返ってきたのは優しい微笑みだった。

 
眠れれば満足なのか、固いパイプのベッド。
たいして大きくもないそれに、ふたり、器用に収まる。

カーテンは閉められたままで、その隙間からオレンジ色の光がフローリングを照らしていた。