嫌いだったら、セックスはしない。
いやそもそも部屋に入れたりしない。デートにも行かなければ電話もメールもしない。

どんなに相性が良くたって、気持ち良くたって、私はセックスフレンドを作るほど、性に餓えてもいない。
だからナユタのことは嫌いではないのだと思っていた。

 
ああ、そうか。私はひとつのことに気がつく。
 
私はきっと、ナユタがいなくても、生きていける。
 
決定打は案外、あっさりと生まれるものなのかもしれない。