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結局は独りがいやなんでしょう。それは友人から向けられた言葉だ。
 
そんなことはない。私は答えた。
しかしすぐに追って“けれど”がついてしまった。
その割に後が続かない私に、友人は呆れたような笑顔をくれた。
 

おひとりさま、という言葉は嫌いだ。
何を思って“さま”をつけているのだろう。そんなの、結局独りでいることが寂しくて惨めで悔しくて。でもそれを認めたくない、知られたくないだけの意地だろう。

そうやって肩肘張るから他人が近寄れない。
寂しくないの、独りを楽しんでいるんだから邪魔しないでくれる? 
そうやって虚勢を張り続けて、群れないと行動できない女をあざけ笑う。
私が男なら、そんな底の知れている女、付き合いたくない。
 

じゃああんたはどうなのよ、と言われれば、私は独りがけして嫌ではないタイプの女だ。
いやそもそもそこの部分は女を捨てているのかもしれない。平日にはひとりでランチに行くし、映画館もショッピングも、群れなくても出来るものはひとりでも出来る。