ならばナユタはなんだろう。

デスクの上に置かれたマグカップを眺めて思い出す。これはナユタがくれたものだったと。
それぐらいの認識の男が、果たして本当に恋人なのか。
 
疑ったら、きりがない。


「でもそうか、じゃあ中原さんは幸せなんだね」
 
同僚の言葉は無視で春木が言った。
 
それに応えることはなく、私は仕事を再開した。