「…押水？
顔赤いけど、熱あるんじゃ…」



私の異変に気がついたのか
奥村くんは手を近づけてきた。



やっ、やめて…！
頭パンクしそうー!!



「だ、大丈夫大丈夫！
私、もう帰んなきゃっ
バイバイ!!」


私は手が触れる前に
振り切って急いで自転車を動かした。



「お…」


奥村くんは
何かを言おうとしていたけど
私は思いっきり無視をしてしまった。




必死にペダルを
こぎ続けた。





本当は無視したくない。


ちゃんと話しを聞きたい。


－それなのに…



「…なんで？」




自分の矛盾している気持ちに
腹がたった。