「ほらっ!
奥村くんじゃなくても奥村とか
名前で武志とか武志くんとか…
あ!!別に
変な意味じゃなくて…」
真っ赤な顔で
テンパっている奥村くんは
机につっぷした。
こんなに真っ赤な顔
初めて見た。
「だ、大丈夫?」
「ごめん…
俺、女子苦手で…」
普通そうに見えるんだけど…
「だから告白されても
こんなんだから、傷つけるんじゃ
ないかってずっと断ってた。
でも…押水、俺…!」
勢いよく机から
ガバッと起き上がった。
「おっ、お待たせいたしましたっ
ごゆっくりどうぞっ!」
奥村くんが
何かを言おうとすると
定員さんが品をおいて
そそくさと逃げてしまった。