「どしたのつばさ。
なんか難しそうな顔してるけど…」

芽生ちゃんが心配そうな顔で
私の顔を覗きこんできた。


「あっ
大丈夫大丈夫!
全然何にもないよ?」

ヘラヘラと少し焦りながら全否定する
私の演技のヘタさに
気づいたようなのか、
芽生ちゃんは怒って
私の顔を両手ではさんだ。


「りょっとうぇいあん!でぃぶでぃぶ!」
(ちょっと芽生ちゃん!ギブギブ!)

「だーめ。
何考えてたか教えないと離さない」

また重圧が倍になった。
ギューっとはさまる。


「うあかった!
うあかったからはなすいて!」
(わかった!わかったからはなして!)

「よろしい」

芽生ちゃんは手を離した。

ほっぺたが日焼けしたみたいに
ヒリヒリする。


私たちのやりとりを見ていたのか
クスクスと通りすがりの上級生が
笑っていた。


うわー…すっごい恥ずかしい…