「迷子になった?
どこかケガした?」
男の子が落ち着いたので
改めて質問してみた。
すると男の子は
さっきよりも落ち着いた顔で
「…僕、病院わか…グスッ
わからなくて…」
といった。
男の子の手には
涙で滲んだ手書きの地図。
…朝岡総合病院
確かこの先にあるはず。
「よし!
じゃあ私がついていってあげる!
だからもう泣かないで」
私は男の子の頭を撫でながら笑った。
「ほんと!? お姉ちゃん!」
男の子は嬉しそうに
目をキラキラさせていった。
なんだか
私まで嬉しくなった。
「うん!」
「ありがと、お姉ちゃん!
大好きっ!」
そう言って男の子は
抱き着いてきた。
「大好きっ!」の言葉に
少し恥ずかしくなりながらも
公園を後にして
朝岡総合病院へ向かった。