そしてその家族との別れの時が来た。ママさんはもう車に乗っている。マヤさんはあたしを抱き締めると、『《さよなら》じゃないからな。《またな》だからな。だから約束守れよっ』ってギュッとあたしを抱き締めて離れて、車に乗った。ママさんが『じゃあね。惠ちゃん。元気でね。』って言った。その隣の席でマヤさんがあたしを見てた。あたしがその言葉にうなずくと、車は走り出した。走り出した車の窓が開きマヤさんが『頑張れよー!』って体を車から乗り出して、手を振って言ってくれた。あたしは『うーん!』って言って手を振りながら車を追いかけるように走った。でも車との距離はどんどん離されて見えなくなった。あたしのもう1つの家族が居なくなった。