シオリはすごくキヨシの事が好きだったみたいで、告った日からめちゃ幸せそうだった。いいなぁ~好きな人がいて。あたしはまだ一度も誰かを好きになった事がなかった。イジメられてたせいもあるし、それよりも一番あたしが男の子を意識できなかったのは、父親の存在が大きかったからだと思う。
男=暴力をふるう。だから正直男の子は苦手だった。だから誰かに恋するなんて考えられなかった。それにあたしにはシオリをはじめいっぱいバカな事して、騒いで、一緒に居て楽しい友達がいるから、彼氏なんていらなかった。だから そんなあたしに彼氏ができちゃうなんて、この時は思いもしなかったんだ。ある日シオリは『今日 キヨシと逢うんだぁ』って朝から学校で、浮かれっぱなし。そして 浮かれてるシオリが言った言葉『キヨシが惠も連れて来いって』『えっ! なんで?普通あたしが一緒に居たらお邪魔でしょ?』『でも キヨシがそう言ってるし、キヨシの友達も来るんじゃない?だから一緒に行こ!』シオリはキヨシに逢えるからいいけど、あたし 初対面の人と逢ってどうしたらいいのぉ~って心の中で行きたくないって思ってた。