ちょっと呼び出された分遅くなったけど、学校帰りにシオリの家に寄った。チャイムを押して、出てきたのは、シオリのお母さんだった。シオリのお母さんはいつ来ても優しい。『惠ちゃん久しぶりね。今、シオリ呼んでくるから』って普通に言った。体調悪いんだったらあたしから部屋に行くのに?何かいつもと違ってた。しばらくして、階段から降りて来たのはシオリじゃなく、シオリを呼びに行ったシオリのお母さんだった。『惠ちゃん、せっかく心配して来てくれたのに、ごめんね。シオリ逢いたくないらしいの。今はそっとしといてあげて』って、ちょって意味深げな事を言われた。そしてあたしは『わかりました。また、来ます』と言ってシオリの家を出た。それからしばらくして誰かが後ろから走ってくる気配がした。