あたしは早くキヨシに逢いたくて、すごく走って、2人の待ち合わせ場所に着いた。着いた時には、前と違ってキヨシが先に来てタバコを吸いながら、縁石に座って待っててくれた。『待たせてごめんねっ』って息切らして言ったら『バーカ!』って笑ってくれた。でも 次の瞬間あたしの顔見て『なんかあったのか?誰かに殴られんじゃねの?殴ったヤツわかってんだったら、俺に言え』って言った。でもあたしは『あたしドジだからさぁ。転んで打っただけ』って笑って見せた。キヨシごめんね。あたしキヨシに嘘ついた。でもキヨシには言えないよ。あたしを殴ったのは父親だなんて…。そうするとキヨシは『そっか ドジそうだもんなっ』って言って笑った。『どーゆー事ぉ』ってほっぺ膨らましてみたけど、キヨシの手でほっぺ押されたら、プッって空気抜けて2人で笑い合った。そしてキヨシは自転車に乗ると後ろを指差し、あたしはまたキヨシの体温を心地良く感じながら自転車に乗った。そして『今からどこ行くのー?』って聞いたら、『俺が世話になってる先輩とこー』ってキヨシは言った。