その日あたしはタケシの腕の中で眠って、夢を見た。あたしは暗闇の底無し沼にどんどん沈んでいきながら、出口を探しさまよい歩いた。でも《もうだめだ…》と諦めた時、明るい小さな光が見えた。一生懸命もがき近づいて行くと、その光はどんどん大きくなって、その光の中から差し伸べられた手。あたしはその手を握ぎった。そうするとその手はあたしを暗闇の底無し沼から引き上げてくれた…。