あたしは頭が混乱していた。なんでキヨシは家の電話番号知ってるの?そんな事を考えながら、待ち合わせ場所に行った。でも キヨシはまだその場所にきてなかった。少し寒くなってきた季節。あたしは道の縁石に座って丸まって下を見て、自分が今何してるのか頭を整理していた。その時 キキーッって自転車のブレーキ音があたしの前で止まった。見上げて見たら息を切らして自転車で走ってきたキヨシが『待たせてごめんな。寒かったろ?後ろ乗れ!』って言われた。あたしは言われるがまま、キヨシの自転車の後ろに乗り、キヨシの背中の体温をかすかに感じていた。なんか初めて味わう心地いい温度が伝わってきた。そして着いた場所はキヨシの家だった。