みんな集まったのか。『行くぞ!』って言って一斉にエンジンが掛けられ、爆音を立てて単車は次々に走り出した。『しっかり捕まっとけよ!』『うん』タケシも走り出した。爆音とスピードを上げて走る単車の後ろに乗って、体に風を感じながら、単車ってこんなに気持ちいいんだぁ。って思ってたら『気持ちいいだろ!走ってると嫌な事なんか忘れちまうから!』ってタケシは言った。あたしもこのまま嫌な事全部、風になって消えちゃえばいいのに…って、タケシの背中にもたれて、そう思った。