そしてある日の土曜。いつものようにオヤジに抱かれお金をもらって、最寄り駅に送ってもらって、窓越しにオヤジに愛想笑いしながら『またね!』って言って車を見送った。そしていつも通りタクシーで帰ろうとした時『惠?』って声。タケシだった。あたしは見られた!って、一瞬焦った。でも見られたものは仕方がないとすぐに諦め、『よぅ タケシこんなとこで何してるの!』って聞いた。そしたら『今夜走るから…。ツレ待ってる…』って、あきらかにいつものタケシじゃなかった。あたしの姿を見てタケシ自身何かを感じたんだろう。あたしの事見る目変わるだろうなって思った時『惠 今日時間あるなら、俺の単車のケツに乗れ!一緒に走ろうぜ!』って意外な言葉をタケシは言った。あたしは『うん』って返事した。