『お待たせ』って電話にでたらけど、あきらかにリョウくんの態度がおかしい。『どうしたの?なんかあった?』って聞いたら『俺 北海道に行く事になった…。』『なんで!いきなりすぎるじゃん!どうしたの…』『ジィちゃんも歳だし、もうオヤジの面倒見切れなくて、施設に入れる事になったんだ。それで俺は北海道の親戚に世話になる事になった…』『オカンも他に男いるし…。俺行くとこねぇから…。』『学校も今日辞めてきた』『俺 こっちにいると辛い事しかねーから、惠だって…あんなに震える程怖い思いしてたなんて…。ごめんな。もっと早く出逢えてたら、俺が守ってやったのに…ごめんな…。もう俺は惠を救ってやる事もできな…い。』リョウくんは精一杯あたしに気付かせまいと、頑張ってたみたいだけど、泣いてるのがわかった…。『もう、逢えないのか…な』あたしも言葉が詰まる。『俺、明日の飛行機で北海道に行く。だから、今日サヨナラ言う為に電話した。』《サヨナラ…》って。