タクシーでシオリの家まで乗って降ろしてもらった。タクシー代はシオリが出してくれた。あたしはシオリに『バイト代入ったら、返すね』って言ったけど、『別にいいよ』って余裕だった。シオリとあたしの貧富の差を感じた。それより早くかえらなきゃ。あたしはシオリに『またねー!』って言って自転車で走り出したら、後ろから『うーん!バイバーイ!』ってシオリの声がした。あたしはめっちゃダッシュで帰ったけど、家の電気はすべて消えて真っ暗だった。あたしは恐る恐るチャイムを押した。暗い家にピンポーンって音が響き渡った。しばらくして玄関の電気がついて、玄関のドアが開いた。そこには呆れた顔の無言のお母さんがいた。遅くなって…ごめんって、言おうとするその前に無言で2階の寝室に上がって行ってしまった。あたしは玄関のカギを閉めて電気を消し自分の部屋に入った。そしてお風呂はもう明日でいいやって思い。パジャマに着替えて眠りについた。