電車を乗り継いで、地元の最寄りの駅に着いたのは、もう22時を回っていた。ヤバい。地元に戻るバスがもう無かった。駅から歩いて帰るなんて、絶対無料な距離。シオリに『バスないどーする?』って落ち込み気味で言って隣を見たら、シオリの姿がない!あたしは慌てて周りを見渡した。そしてすぐに見つけた。シオリは茶髪のチャライ感じの男2人としゃべってた。あたしはその2人を見てすぐにわかった。それはシンナーの売人だって事。噂には聞いて知ってたから。あたしはシオリ達に近寄って、『シオリ帰るよ!』ってシオリの手を引っぱった。そしたらシオリはあたしの心配をよそに『またね~バイバーイ』って、その2人に手を振った。『シオリのバカ!あいつらシンナーの売人だよ』って言ったら、『わかってたよ!』って普通に答えた。あたしはハァ?って呆れた。知ってて話してたなんて、カズエってどーゆうつもりなんだろ。あっ!それより『バスもう無いんだよ!』って言ったら、シオリは『タクで帰ればいいじゃん』って簡単に答えて、タクシー乗り場に歩いて行った。あたしはシオリの後に付いて、タクシーに乗った。