まさかの寮移動。2_変人の巣窟っておいおい。

次の日、始業式後。
「え? みーちゃん。今日から『撫子寮』なの!?」
涼子様の権限でまた同じクラスになった私と彼女。
しかも朱莉涼子(あかり りょうこ)と秋山瑞穂(あきやま みずほ)で、席も前後だ。
毎年のことであるんだけど。
「そうなの……昨日、事務所から電話かかってきてさ」
はぁーとため息をつき、私は肩を落とした。
「そっかー。大変だねー。でもー、私一人部屋になるし、まぁ良いかなって感じだよ」
えへへと笑う涼子。殴り倒してやろうか。
「毎朝、誰があなたを起こしてるのかわかってるの?」
もともと同室だった涼子。寝起きが死ぬほど悪いので、毎朝私が起こして差し上げていたのだ。貴族かコイツは。
「撫子寮って、問題児の巣窟でしょー?」
そう。そうなのであるっ!
この学園には、第一寮と第二寮。そして撫子寮がある。
一が男子。二が女子。撫子が男女関係無く問題児。という具合に振り分けられていた。
それが昨日の電話によると、奨学金生も今年から撫子寮に移動らしい。
私、バッチリ奨学金生☆
「あーーー!!!」
苦悩で、頭をガリガリかきむしる私。
「わー。みーちゃん。はげちゃうよ!!」
「はー。桜の魔力って、偉大よね」
今度は遠い目になる私。
もう、どうにでもなれや。