撫子寮へようこそ。_5法的なものに触れることはしません。

「せんさく、ぐせ……?」
私が聞き返すと、彼女はひとつ頷いた。
「えぇ。知っている人間の個人情報を知り尽くし、それを当人に話して、それが間違いでないかを確認する。それが、それがね……」
うふふふ、と理子さんが怪しく笑う。
いやいや、マジで危ない人みたい。ちょ、ちょっと待って!
「最高に楽しいのぉ♪♪ あー、もう最高よね。人のことを知り尽くすのよ! 最高」
「え、でもそれって……プライバシーの侵害なんじゃないんです、か……?」
私が言うと、理子さんがハーっとため息をつき、暗い顔になった。
「そう、そうなのよ……。この癖、気持ち悪がられて……学園側に訴えられて……ね?」
言っちゃ悪いが……それって、自業自得ってヤツじゃないの?
「癖だから、治せないの。瑞穂ちゃんだって、髪の毛触る癖治せって言われて、すぐ直せる? 治せないでしょ? それと一緒」
「そうなんですか……」
返事をしつつ、私はひとつのことを思いついた。
「あの! じゃあ、夏目恭介のことを教えてください!!」
「あ、無理です☆」
にこりと笑いながら、彼女が答える。
「え!?」
「私、覚えた情報は本人に聞いて確認するだけなんで、そういうなんか法的なものに引っかかることはしてないの☆」

こ、こんにゃろ~~……!!!