「はぁ･・。｣
「もう、そんなにため息してたら幸せ逃げるよ？｣
千夏が呆れたように言う。
「うん･・。｣
「あぁっもう！若菜、大野と別れてから暗すぎ！今週何回ため息ついてんのよっ｣
「そ、そんなことないし。｣
確かに、頭の中は･・直哉でいっぱいだけども。
あの日から、直哉とは一言も交わしていない。
直哉も、普段と何も変わらなくて･・やっぱり、あれはただの気まぐれ。
「はぁ･・。｣
「もー！ため息するなっ｣
「だってぇ･・｣
「だって何よ？まだ、好きなわけ？｣
･・もちろん、ここではいなんて言ってしまったら怒られますね。
「･・好きじゃないよ。｣
「ならいいけど。｣
そんなことを言っているけど、体は正直で目はいつでも彼を追っているんだ。
