教室全部のそうじは意外に大変で、終わったころには外も暗くなっていた。
「やっと、終わった・・。」
私が、ふぅっとため息をついていると、直哉が教室を出て行った。
きっと、帰ったのだろう。
「・・一言くらい、言ってくれてもいいのに。」
そんな私の独り言は寂しく教室に響いた。
「さてと、私も帰ろう!」
ちょっとだけ、直哉と帰れるかもなんて期待をしていた私はバカだ。
諦めるって決めたばかりなのに。
そんな寂しさを紛らわすためか、私は鼻歌を口ずさんで一人で靴箱にむかった。
「―~♪」
鼻歌は廊下に、さびしくさびしく響いた――・・