いつかのデジャブ。
夕焼けに照らされた茶髪は
黄金色に輝く。
息を切らせ、私のもとへと
駆けてくる。

「志祐梨。」

いつもとは違う、
少しゆがんだ顔で。

「…志祐梨?」

流れていた涙を
親指で拭われる。

「泣いたのか?」

「なぃてない…。」

「泣いてるじゃん。」

「ちがぅもん。」

伝う涙が止まらなくて、
嘘にもならない嘘をつく。


…嬉しい…。