変わらない、風景だった。

鍵は開けっ放しのその教室は
キス未遂の現場でもあった。

「へぇ…。」

あの頃とは、
陳列された本が
増えていた。

流行りのエッセイ。
ファンタジー物。
ケータイ小説。

…最近の若者は
ませてるな。

その列の中には、
少しだけ古くなった
本が、新しい続刊とともに
並べられていた。

『君にゴールイン!』

『君とラスト・ゲーム』

『クラッチタイムな君へ』