すると那月は
私の耳に唇を近づけ、

「どうした?」

またいつもの調子で囁く。

「ちょっと外出ててもいい?」

「んー。」

那月は少しだけ
乃愛と駿平の方を見て、

「俺も行く。」

…心配しなくても
大丈夫だし。

乃愛にジェスチャーをして
カラオケボックスを
後にした。