「僕の彼女にならない?」


…恋すらしたことのない私に、彼氏ができた。

もちろん、私は彼を好きだとは思っていない。

ただ付き合ってと言われたからそうするだけだ。


「哀歌ちゃんって、誰とも付き合わないって噂聞いたから、てっきり断られるかと思ってた。」


…誰だ。

そんな噂を流したのは…


「…あたしのどこがいいの?」


「優しいし、静かだし、可愛いから」


…言い換えてみれば、便利で何でも言うこと聞いて見た目がいいから?

ふざけんじゃないわよ。



…そう思っていても、私はそいつをフらなかった。



だって面倒くさいし、カレカノのすることにも興味があったから。


「とりあえず、家まで送っていくよ」


…今は放課後。

帰ろうとしたところで止められたのだ。

…カレカノは、帰りが同じなんだな?