「う~ん・・・。
どの部に入ろうかなぁ・・・。」

新しく入学した高校までの通学路である並木の道の桜に少しずつ緑の葉っぱが見えてきた頃。

ほとんどの人は部活に入るか、入らないかなーんて事はとっくの昔に決め去り、もっとはやい人は部活に馴染んでくる頃。

私、最近花のJKになりました 乃一 凪 (ノイチ ナギ)
只今、
ものすごーく、悩んでおります。

「のぁ~!ほんと、どうしよ~‼」

「凪ー!」

しきりに、自分の席で頭を悩ませていると恋亜が購買から戻って来た。

あ、恋亜っていうのは、本名 東雲 恋亜(シノノメ レア)

私の親友も大心友で!

クリッとした目が印象的なこれでもかってくらいの美少女。

おまけに頭良し、性格良し、運動は人並くらいだけど
また、そこがいい!って男子がものすごくいまして。

手っ取り早く言うとごっつモテはるんです!

そんな子が満面の笑顏でわたしの席に来るから。

右手にお箸、左手に部活一覧表を持って
さっきまで、うーうー 唸ってた変なやつの所に来たから。

「見てみて!凪!
今日は、売り切れてなかった‼メロンパン♪」

「あ!ほんとだ
良かったねー‼」

嬉しそうに話す恋亜の手にはメロンパンが握られていた。

そして、わたしの前の席に後ろ向きに座って食べ始めた。

そう、今はお昼休みの時間。みんな、ワイワイしながら
お昼を食べている。

「おいしいー
苦労したかいがあったわ。あ、凪にも
はい おすそ分け。」

と言って、少しくれた。

「ほんとだ!おいしい‼さすが、幻だけあるね~」

購買のメロンパンはあまりのおいしさから、ものすごい人気で
なかなか、買うのが難しいのだ。

「うん♪あれ?それって部活一覧表??
凪、まだ部活決めてなかったの?」