「名前は??」

「宮城十利」

「十利か!俺、扉」

「変わった名前だな扉って」

「せやろ?って、
十利も変わっとる!」



か、関西弁??
コイツ、もしかして関西人?!
グイグイ来るし…


「お前、関西から来たの?」
「ちゃうよ」
「ちゃうんかい!」

吊られて関西弁になってしもーた…。


「でも、日本や!」
「規模がでけぇよ」
「じゃあ、ジャパン!」
「変わんねーよ…」
「えーっと、アジア!」
「拡大してんじゃん」
「やっぱ、日本や」
「戻っちゃったよ…」



俺達の会話を聞いていた女子が
手を叩いて笑っている。

「面白い面白い!」
「2人とも知り合いなの?」
「仲良しだねー」
「お笑いコンビみたいだったよ」

俺の隣の席で心春も笑っている。


「お?そーか??
ほな、組もうか?十利!」
「組まねーよ!初対面だし」


アハハ、キャハハ、ワハハ
俺の周りで人が笑っている。
俺とコイツが笑わせている。
通りかかった男子も笑ってる。

この笑い声が波動になって、
俺に新しい風を吹き
少しだけ髪がなびいた気がする。
胸がグッと動いた。
なにこの変な感覚。




「明日から稽古かあ…」
「だから、やらねぇってば」
「やるよ!」
「どこでだよ」

「日本!」
「もういいわ!」




アハハ、キャハハ、ワハハ
ウフフ、イヒヒ、ワンワン、ニャーニャー


笑い声の波動は最高潮に達し、
俺は快感を覚えた。
みんなの笑顔で俺も笑った。

コイツはなんなんだ…??