それから、郁美が少し落ち着いたのか、博に修二との

出来事を話していた。殆ど博が予測した通りだった・・。

この時の、博はこんな事を考えていた。

《博視点・・・。》

あそこまであんなバカだとは・・。俺が郁美を奪おうかな・・。(苦笑)ていうかこれ位脅さないとあいつは分からないかもな・・・。
自分の恋も叶ってないのに人の恋世話してる余裕ないんだけど・・。
ま、いいや・・。今度、俺の時には、思い切り世話してもらおう!とりあえずそれからだよな。

「ごめんね、佐野君・・・。あたしもいけなかったんだよね・・。」

「そうかな?」

「え?」

「全て郁美ちゃんが悪いわけじゃないでしょ?偶然街で会ったんだからさ、そんな事理解出来ないんじゃ
男として失格だよ・・。」

「長野君・・・。」

「今朝、俺のとこに修二から連絡来てさ、それなりの事言ったんだけど、守れてないし、それで、郁美ちゃんの事こんなにするなんて・・

。」

「・・・。」

「怖かったでしょ?」

「佐野君・・・。」

「俺が、おまじないしてあげる。」

「おまじない?」

「うん。2度と郁美ちゃんが泣かないように・・」

そう言うと、博は、郁美のおでこにキスをした。

「!!(///)」

「これは、俺と郁美ちゃんだけの秘密ね。俺も、好きな子がいるからこういうことしたくないけど、今日だけだよ・・。約束してくれるか

な?」

「うん・・・。ありがとう。佐野君・・。」

「良かった・・・。郁美ちゃんに少しでも笑顔が戻ったてくれたらそれだけでも嬉しいしね。」

「ホント、ごめんね・・。」

「もう、謝らないで。俺が困るからさ(笑)」

「うん・・・。」

その夜、郁美は、博に家まで送ってもらい無事に帰宅した・・。

残るは、修二か・・・。

車を運転しながら煙草を吸っていた博・・。

厄介な事をしたくないけど、博にとっては、嫌な気分が収まらなかったのだった・・。