『大丈夫?』

彼の声に反応したあたし。

見上げてみると、ちょっとクールな感じで、茶色の髪

でふわっとした感じの人。

小さな顔立ちにくりっとした目。

彼のそんなとこにあたしは、ドキドキしてた・・。

『あ、はい。すみません・・・。大丈夫ですから・・。』

と言いながら立ち上がろうとしたけど、足を怪我して

立てなくなった郁美・・。

すると・・。

『俺の家すぐそこだから、来てくれるかな?』

ええ?家?今会ったばかりの人の家なんて・・。

『え?だ、大丈夫ですから・・。』

『そんなわけないでしょ?こんなにずぶ濡れで大丈夫なんて良く言えるね?もしかして、これで家に帰る
つもりだったの?』

『はい。そうですけど・・・。』

何で?男に振られて帰るだけなんだから良いじゃない?

『あのさ、君女の子なんだよ?自分の体もっと大事にしたら?』

『そうですけど、でも何であなたにそんな事言われないといけないの?』

『とにかくさ、家に来て!話は、それから!』

そう言うと郁美の手を強引に引っぱり家へと向かった・・。

《郁美視点・・・。》

何、この人・・・。
確かにカッコいいけど、あたしがどうしようが関係
ないのに・・・。
恋人でも何でもないのに・・。
・・でも、どこか惹かれるんだよ・・ね。
繋がれた手にあたしは、ドキドキしていた・・。