外は、春の風が吹きかかり、私の頬を撫でる。
そんな風を感じながら、私は学校へと向かった。
学校に近づくにつれ増える生徒。
その中を私は昇降口に向かって歩いていた。
シューズを下駄箱から取り出し、靴と履き換え、教室へと向かう。
階段を上ろうとして“違った。”と思い、3-2という札がある教室へと向かった。
もう始業式が終わって1ヶ月近く経つのにいまだに馴れずに、2年生の教室へと向かってしまう。
“早く馴れなくちゃな。”と思いながら、私は机についた。
「おはよー。春。」
突然した声。
顔を上げると、3人の少女が立っていた。
「おはよう。華織、さつき、百合絵。」
私は笑顔で挨拶をかえした。
「春、また上に行こうとしてたでしょー。いい加減馴れろしー。」
華織がなにか面白いものでも見たようなそぶりで言ってきた。
百合絵もさつきも見ていたのだろう。
百合絵は呆れたように、さつきは可笑しそうにクスクス笑いながら私を見ていた。
私は恥ずかしくて顔を真っ赤にしてしまった。