温かい味噌汁を啜る私に
「あんた昨日いつまで起きてたの!」
と言いながら立つ母の気配を感じたが、私は無言で朝食を食べた。
言われることはわかっていた。
どうせ、「また夜遅くまで携帯でもいじっていたの!?」や「朝起きれないなら夜遅くまで起きないの!」などだろう。
私は空になったお茶碗をテーブルに置き「ごちそうさま。」と言い、洗面台に向かった。
歯を磨き、顔を洗い、また髪をとき、部屋に戻った。
衣服を脱ぎ制服に身を包み、その姿を鏡で確認した。
可笑しい所が無いのを確かめた後、鞄を持ち、階段を下りた。
玄関に向かう途中、母が私のところにやってきた。
「お弁当忘れてるわよ。」
そう言い、私にピンクの弁当容れを差し出した。
「ありがとう。行ってきます!」
私は笑顔でその弁当容れを受け取り、家を出た。
後ろでは母の「いってらっしゃい。」という声が聞こえた。