そして、私は鞄の中からカッターを取りだし、さつきの首に当てた。
辺りは騒然とした。
「さつきを離してほしかったら屋上に来て。鍵は私が持ってるから。」
そう言い、私は教室を出て、屋上へと向かった。
そう。
ある場所とは職員室。
信頼を受けている私は、「この前屋上が開きっぱなしで、先生に連絡しようと思ってたんですが、次の授業に間に合わないと思って後回しにしたら、言うのを忘れていて…その時にお弁当箱を屋上に忘れてしまったので、鍵を借りに来たんです。」と嘘をついた。
もちろん先生は快く鍵を貸してくれた。
その鍵を持って、さつきと屋上に向かっていた。
さつきの体はとても震えていた。
「空が青いね。…綺麗だね。さつき。」
さつきはなにも答えず、私を見た。
「私はね…楽しかったよ。…心の中にだけでもいいから留めたいって自分勝手でごめんね…」
そう言った後直ぐに扉は開いた。
私はさつきを解放し、カッターを華織たちの方へ投げた。
「早くしないと返り討ちにあうよ?」
私はクスクスと笑った。