「だ、誰っ!?」


自分の声の大きさに、自分でびっくりした。



「はは、びっくりさせちゃった?ごめんね。少し人探ししてたんだ。」



赤い髪に黒縁メガネの背が高い男の人。



ミステリアス



最近はまっている本に出てくるこの言葉が、この人にはピッタリ。





初めて見る人だ、村の人じゃないな・・・



「・・・良かった」


風を見られてなかったとしても、村の人に怪しまれるのは嫌だ。



「良かったって何が?」


「へっ!?」


うわ、聞こえてた!?



「ははっ、なにかイケナイことでもしてたのかな?」


「・・・・」


・・わ、笑った!

私に笑ってくれる人なんて久しぶり・・・ううん、こんな自然な笑顔は初めてかもしれない。



「・・・あ、あれ?冗談だよ?・・・な、泣いちゃう?」


あまりに嬉しくて、涙がこみ上げてた私は、



なぜかその彼の言葉で一気に噴き出した。



「な、泣かないよぉ~!!」


さっきまで泣きそうだったくせして、口をついて出た言葉はそれ。



多分あまりにも彼の表情が頼りなくて、励ましてあげたくなったんだと思う。