自分が周りと違う事に気付いたのは、多分小学校に入る少し前。


なぜそうするようになったのかは覚えてないけど、独りでいることが多かった私の癖は、掌の上で風の玉を作って遊ぶことだった。


掌を上に向けてじっとしていると、自然に風が集まって来てとぐろをまく。


それを上手く丸い形に収めるのが、私の日常だった。





小学校での成績は良かった。


なんだって自分一人で出来るように努力した。



だけど私は、いつも一人だった。




「鈴って、おかーさんとおとーさん、いないんだって!」


「そうなの!?それってちょっと・・・変だよね。」



私が住む田舎は、噂なんてまわるのは一瞬で、私に両親が居ないことも、そだててくれるおばちゃんが私を嫌っていることもみんな知ってる。




私はこの平和な村の人たちにしたら“異常”な存在だった。



私を見る目は同情か軽蔑。



苦しかった。



それでも何故か誰も憎めなくて、認めてもらいたくて、必死にいっぱい勉強した。



学校の成績はいつも一番だった。




でもやっぱり私は一人。