フェルトは嬉しそうに笑み、

「国の思惑に惑わされない、自分の意思がある人を応援したいと、私は思っています。

そういう人が好きですしね。


しかし君は、イサと同い年の割に、ずいぶん落ち着いてみえますね」

「あなたの目にはそう見えるのですか?

これでも私は18才ですよ。

イサより4つも年上ですから、彼より落ち着いているのも無理ありませんね」

エーテルは余裕の笑みを浮かべた。

年齢だけではなく、魔術師としての実績が、彼女にゆとりを持たせ、緩やかな雰囲気を生み出しているのだろう。


「フェルトさんは、おいくつなんですか?」

エーテルは世間話のノリで訊いてみた。

「23です」

「通りで。落ち着いてみえます。すごく」

エーテルはややからかうようにフェルトを見やる。

「ほめ言葉として受け取っておきますよ」

「そうしてください」

そんな雰囲気に気持ちが和んだのか、その後二人は、どちらかともなく吹き出した。