フェルトはおもむろにエーテルに近付く。
エーテルは彼と一定の距離をとるため、後ずさった。
「驚かせてしまってすみません。
ですが、そんなに警戒されたら悲しいです」
フェルトは言い、友好の印にと、エーテルに市販の缶飲料を差し出す。
エーテルは、言葉と態度でそれを拒んだ。
「この間は、ローアックスの攻撃から助けて下さりありがとうございました。
でも、あなたが何者なのかが分からない以上、それは受け取れません」
フェルトはうすく笑い、
「物騒なことをおっしゃいますね。
毒など入っていませんよ。
私には、女の人をいたぶる趣味などありません。
それに、マイさんとの旅立ちの日に、あなたはイサに、私はあなた方の敵ではないと話して下さっていたでしょう?
それは、私の聞き間違いでしょうか?」