テグレンは表情を和らげ、

「マイ……。あんたは優しい子だね。

できれば、ずっとそうであってほしいよ。

本当の両親には、私がちゃんと話すよ。

私はマイの本物の身内にはなれないけど、死ぬまであんたのおばあちゃん的な存在でいさせてほしい、ってね」

元気を取り戻したテグレンを見て、マイは嬉しくなる。

「テグレンのおかげで、私はここまで大きくなれたんだもん。

頼まれなくても、おばあちゃんになってもらうからっ!」

マイはテグレンの腕に両手を絡ませ、身を寄せた。

「おやおや。

ちょっとは大人びたと思ってたけど、まだまだ甘えん坊だね、あはは」

テグレンは幸せそうに笑む。

護衛を付けて危険と隣り合わせの旅をしているとは思えないほど、アットホームな空気が流れていた。