夢を語り合った後、将来をあたためるように、二人は掲げていた武器を大切にしまう。


マイはイサに尋ねた。

「ガーデット帝国は、代々剣術を扱ってきた国なんだよね。

それなら、イサのお父さんも剣術を使えたりするの?」

「ああ。もちろん、使えるよ」

「じゃあ、イサはお父さんに剣術を習ったんだね」

「いや、父·ヴォルグレイトは、国を治める立場の人間だから、剣術の師匠ではないんだ」

「どういうこと?」

「剣術の在り方を監視し、国を統括するヴォルグレイトとは別に、我々に剣術を教え、鍛え込む師範がいる」

「剣術の先生みたいなものだね!」

「ああ。師範·カーティスは、ガーデット帝国の実質第二位の座につき、ヴォルグレイトの補佐役を担ってる。

すなわち、カーティスが、城にいる兵士達の動向を仕切ってる」

「国をまとめる人と、兵士に剣術を教える人とに、分かれてるんだね」

マイはガーデット帝国の体制を理解した。

「それだけじゃなく、忙しいヴォルグレイトに代わって、カーティスは俺の面倒もよく見てくれていたんだ」