イサはマイの言動を深く気にせず、再び話し出した。
「マイは料理もうまいし、裁縫もできるし、器用だよな。
それに、魔法の力でいろいろ助けてくれる。
ローアックスが現れた時も、マイがいなかったら、エーテルは今頃どうなっていたか……。
だから、もっと堂々としてろ」
「エーテルを助けたのは、とっさに体が反応したというか……。
それに、料理や裁縫も、一人暮らししてれば嫌でもやらなきゃいけなかったし」
マイはうつむく。
出来て当然のことをほめられると、逆に申し訳ない思いが倍増してしまうし、なんだか気恥ずかしい。
そんな説明しづらい気分をごまかすように、彼女は夜風に向かってため息をついた。
「……イサは、私のことがこわくないの?」
「えっ? 突然、どうしたんだよ」
イサは思わぬ質問を受け、目を丸くする。