イサは体の前で両腕を組み、 「たしかに俺は、剣術の稽古ばかりしてきたから、それ以外の知識は乏(とぼ)しいのかもしれないし、今までは国の意見が自分の意見だと思ってた。 それって、逆に言うと自分の意志がないってことだよな……。 そんなつもりはなかったんだけどさ……。 フェルトに言われた通り、俺は国の命令に反論することもできない、ただの犬でしかない」