「3歳の、とき……? 私があの丘で一人暮らしを始める、数年前のことだよね?」 イサはうなずき、 「ああ。そうだ。 俺達が生まれたばかりの頃……。 11年前。 ガーデット帝国とルーンティア共和国のそばに、マイと同じ、魔法使いの血をもつ一族が統括している国があったんだ」 「いま思えば、あの国が魔法使いの治めた最期(さいご)の国だったわ」 エーテルはそう言い、うつむく。